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2008年9月12日20:05:00
日頃大勢の患者さんを診察していますと、社長さんの自己防御力と中間管理職
さんの自己防御力にずいぶんと差があるように思います。社長さんの自己防御
力は細胞の元気が低下していて、特に細胞にサビ(活性酸素など)の蓄積が多
いです。いわゆる細胞の酸化が目立ちます。そして免疫力はとても強くなってい
ます。一方中間管理職さんの自己防御力は細胞の元気が低下していて、血液
循環も悪く老廃物の蓄積も多くなっています。そして免疫力はとても低下してい
ます。結局両者の自己防御力は共に悪いのですが、とりわけ中間管理職さん
の自己防御力が一段と悪いように思われます。統計的裏付けはないのですが、
たぶん中間管理職さんの方がより容易に病気になっているのではないでしょう
か。両者の間に自己防御力の差があると仮定してなぜそのような違いがある
のか考えてみます。診察の中で出会った社長さんというのは、「自分がやらずし
て誰がやる!」の感じが強いです。大体においてこう言う場合は活性酸素の蓄
積が多く、でも免疫力が強いです。社長さんですから日々悩んでおられることも
さぞ多いはずです。ただそこには「絶対に負けてはならない、何が何でもやりぬ
く」という精神があるようです。一方私が診察した中間管理職さんの方は「絶対
頑張らなければならない」を通り越して「心身ともに疲れ果てている」という感じ
です。この場合は細胞の元気も低下しますが何よりも免疫力が悪くなります。
ここで問題にしていることは、社長さんにも中間管理職さんの方にも共に長期
間ストレスがかかっているのに「やるぞ!」というストレスと「どうにもならないな~」
というストレスでは免疫機能に与える影響が違うということです。実は病気が起
こるのは細胞そのものですが、病気を表へ出させるかどうかを決めているのは
免疫力なのです。細胞の元気が低下しているのに免疫力が強いと見かけ上健
康にみえます。でも免疫力がひとたび破綻したらならば病気は一気に噴き出し
てきます。
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2008年9月11日20:50:00
うちの子はお母さんに似て目がパッチリしてかわいいね、いやいやうちの子は
お父さんに似てハンサムな顔立ちでそりゃ美男子だね。こんな会話がご夫婦
の中でされていると、真偽の程はともかくとしてご夫婦の子供だからそれなり
にどこか似ているはずだと思われるでしょう。それはご夫婦の遺伝子を半分
づつもらっている訳だからその通りなんですが遺伝子以外の部分も子供へ伝
えられます。妊娠の時点からそしてその後に生まれてくる子供さんに伝わって
いく因子があるのです。それは具体的にはその時々のお父さんやお母さんの
自己防御力だと思います。自己防御力は細胞の元気と免疫力のことでした。
お父さんの側が細胞の元気が強く免疫力が弱い、お母さんの側は細胞の元気
が弱く免疫力が強い。その反対もあるでしょう。そしてお父さんにもお母さんに
も細胞の元気と免疫力に影響を与えた、さまざまな過労やストレスあるいは環
境汚染の要因が蓄積していたでしょう。ですから生後半年後の子供さんが生後
半年の間にその子供さん自身のストレスや過労または環境汚染があってアトピー
性皮膚炎がでたのではありません。あくまでもお父さんとお母さんの影響を引き
継いだ結果と考えるべきです。だからお父さんもお母さんも日頃自己防御力を
高めておき、自己防御力の高い子供さんが生まれてくるようにすべきなのです。
そうすれば家族みんな幸せになれるのです。
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2008年9月10日20:10:00
自己防御力は人が病気にならないための力です。既に病気になってい
る時にはその病気を治すための力です。ですから自己防御力が弱いと
誰でも病気になるのです。当たり前のことですが、子供はとても年齢が
若く、老人はとても年齢が高いです。でも病気になる時は自己防御力が
弱くなって起こるのですから子供も老人も病気になるときは共に自己防
御力が低下しています。子供と老人の間に病気のなりやすさに差があ
るとすれば、それは平均的に子供の方が自己防御力が高いからでしょ
う。ところで自己防御力はどんなことに影響されるのでしょうか。自己防
御力の中身は細胞の元気と免疫力でした。ですから細胞の元気と免疫
力を低下させる事柄ということになります。それで1つは過労とストレス
です。これには心理的なものと運動を含めた肉体的なものとあります。
もう1つは環境汚染(空気の汚れと水、土壌の汚れ)です。私の診察室
には時々アトピー性皮膚炎の子供さんが来ます。お母さんに聞くと生後
半年目から少しずつ皮膚炎が出始めたそうです。では生後半年目の子
供さんにどんなストレスと過労があったというのでしょうか。
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2008年9月9日19:50:00
人の体は60兆とも100兆とも言われる膨大な数の細胞で作られています。
それで人が病気になる時はこの細胞が病気になるのです。ですから肝臓
病の人は正確には「肝臓の細胞の病気の人」と言わなければなりません
し脳の病気の人は「脳の細胞の病気の人」と言うべきでしょう。からだ中の
全ての細胞が元気だったら病気にはなりません。しかしいくら元気な細胞
であっても外から侵入して来るバイ菌やウイルスあるいは異物(排気ガス、
ばい煙、粉塵など)によって壊されないためには、何らかの防御壁あるい
はバリアが必要です。私達のからだの全ての細胞を守っている防御壁が
免疫力なのです。免疫力が丈夫であれば細胞の元気は維持され、万一
細胞の元気が低下した場合であっても免疫力が丈夫であればなかなか
病気は発生しません。ここで一つの結論をだしますが、細胞が元気で、
かつ細胞を守る免疫力が丈夫な人を「自己防御力の強い人」と呼んでい
ます。そのように私は名付けています。そして自己防御力の強い人こそ
が、病気になりにくい人であり、病気の人はその病気を治しやすくなりま
す。医療にはさまざまな検査と治療がありますが、からだの健康をつくる
特効薬は自己防御力しかなく、それを引き出すことができるのはその人
自身だけなのです。
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2008年9月8日20:42:00
免疫力のお話の最終回です。私たちの周りには無数のばい菌や
ウイルスがいます。時々同じウイルスなんだけど少し型式が違う
ウイルスが誕生します。身近には1月から2月に流行るインフル
エンザウイルスがあります。今のところワクチンが良く効いていま
すので世界中の人は何とか生き延びています。今話題になって
いる鳥インフルエンザウイルスも必ず流行する時期が来るでしょ
うし、そのためにワクチンやお薬も準備されるでしょう。でも地球と
いう生活の場がある限りばい菌やウイルスが決して消えることは
ないでしょう。それどころか大気汚染や土壌汚染などにより環境
破壊が進めば進む程、手に負えない新種のばい菌やウイルスが
誕生するでしょう。あるいは今まで人の住む環境には決して入り
込んで来なかった未発見のばい菌やウイルスが襲って来かもし
れません。その度に人は新しいワクチンや薬を作ると思います。
でも一番に大切なことは、いかなる新種のばい菌やウイルスが襲
って来てもそれに耐えて生き残っていける丈夫な免疫力を身に
つけることです。この丈夫な免疫力こそがばい菌やウイルスの
感染症だけでなく、全ての病気を回復するためにとても重要な
力なのです。
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2008年9月7日19:25:00
子供の頃のことですが、私にとってお正月とはストーブにあたりながらみ
かんを食べる季節でした。ご近所どこの家を回っても入れ物一杯にみか
んを出してくれます。お腹一杯みかんを食べるのがとっても楽しみでした。
お店からみかんを買うときはみかん箱ごと買って来ます。たまにみかん
箱の口を開いたとたん、青と白の混ざったカビが生えたみかんが見つか
ります。そんな時はそのみかんをそっと取り除いて捨てます。それから周
りのみかんにもカビの色が移っているのでタオルか何かできれいにふき
取ります。そうすればそのみかんはカビが生えてきません。当たり前の
ことのようですがこれが体の中の免疫力のしくみです。免疫細胞は正常
細胞に対して有害になるものがあればそれを取り除き、正常細胞が正
常のまま生きられるようにしているのです。ここがとても大事なところで
すが、「免疫力とはからだ中の細胞が長く元気で生きられるように守っ
てくれるための力」なのです。
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2008年9月6日11:58:00
体に乳酸が増えると免疫力は低下します。そんなことを知ってか知らず
か、あるガン細胞は乳酸を出します。そのため免疫細胞は乳酸の出て
いるガン細胞には簡単には近づけません。だからそのままではガンを
やっつけることができないのです。そう考えるとガン細胞はとても頭が
よく賢いと思ってしまいます。でもそれはガン細胞自身が生きようとする
ための方法なのだと思います。しかもガンになった人もそうでない人も
含めて皆さんは「ガンは凶暴で生命力が強く恐ろしいヤツ」と思っている
でしょう。私も長い間そう思っていました。でも最近やっと分かって来た
気がします。「ガン細胞は正常細胞と全く同じで、ただ一生懸命生きな
ければならない。そう思っているだけなんです。」決して歯をむき出しに
して襲いかかっている訳ではありません。ガン細胞はもともと正常細胞
から発生したものです。だから顔つきは変わっても兄弟です。そんなこ
とが分かればガンの治療はとてもやりやすくなります。
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2008年9月5日18:24:00
誰にでもすぐに肩こりが起こる理由はストレスだと思います。会社で仕事を
していても、学校へ行ってても、他の誰かと話し合いをしていても、いつでも
肩こりは起こります。自分では決してストレスと思っていないのに、体はスト
レスと感じて肩こりを起こしてしまいます。ストレスにはメンタル的な部分と、
大気汚染によるものと2つ挙げられます。ストレスがどうして肩こりを起こす
か、ちょっと説明しましょう。ストレスがかかると脳の中の交感神経という
自律神経が強くなります。脳の交感神経は全身の交感神経を強くし、その
ため、全身の細い血管が縮んでしまい、血液の流れが悪くなります。
私たちは呼吸をしているので、血液の中に酸素が入ってきます。しかし、
血液の流れが悪くなったら酸素も体中に流れなくなるので、細胞は酸素
不足になります。酸素の足りない細胞は乳酸が作られるようになります。
こうして、筋肉の細胞に乳酸が溜まった状態がコリです。取り分け、肩・
首・背中のコリを「肩こり症」と呼んでいます。ですから、激しい運動をして
いない人なのに容易にコリが起こるのはこのためです。長期間、コリが起こ
れば乳酸と血行障害のために私たちの免疫は著しく低下して、風邪を引く
くらいなら良いけれど、ガンにさえなってしまうことがあるのです。
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2008年9月4日21:40:00
慢性的に体に乳酸が溜まっているのは、たぶん日頃から運動してい
ない私たちの方でしょう。それは全身の筋肉のコリ、簡単にいえば肩
こり症が乳酸の蓄積状態です。運動をしている、していないにかかわ
らず私達は日頃からひどい肩こり症に悩まされています。肩や首、背
中の筋肉に乳酸が溜まり、血液の中にも乳酸が増えてくると免疫力
はとても弱くなります。ですから肩こり症の人は免疫力が下がって風
邪を引きやすかったり、時にガンになることも考えられます。私の経
験から肩こり症の人に免疫力が低下するもう一つの原因があります。
筋肉に乳酸が溜まると筋肉が硬くなります。硬くなった筋肉は周囲の
血管を圧迫します。すると血行が悪くなるのですが、そもそも免疫細
胞というのは血管の中をぐるぐるぐるぐると回っていますので血行が
途絶えると血管の中は老廃物だらけになり、免疫細胞は老廃物まみ
れになります。そのため乳酸だけでなくたくさんの老廃物と遭遇した
結果免疫力は低下します。そもそも血行が悪くなると、なぜ血管の中
に老廃物が増えるのでしょうか。それは血管が全身の細胞からの老
廃物を排泄するための管でもあるからです。統計的に乏しい話ですが
乳ガンや肺ガンの患者さんに病気になるもっと前から肩や背中のコリ
があったかどうかを伺うと、なぜかあったという答えが多いです。私は
肩こりこそがあらゆる病気を起こす始まりではないか、と考えています。
ところでなぜ人はそんなにも肩こりが起こるのでしょうか。
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2008年9月3日21:06:00
皆さんは日頃運動をしていますか。体を適度に動かすことは免疫力に
とってたいへん良いことです。しかし激しい運動をしなければならない
時は免疫力はとても低下しやすくなります。軽い運動も激しい運動も、
運動には変わりないのに免疫力は全く反対になります。これはどうして
でしょう。一番大きな理由は体に乳酸が溜まることです。乳酸は酸素不
足の体になればなるほど溜まってしまいます。ですからほとんど呼吸の
しない100m走では極端に乳酸が溜まり、十分呼吸が整えられるマラ
ソンでは乳酸の溜まり方が100m走より少ないです。しかしマラソン選
手は長時間乳酸の溜まった状態で過ごしているので、免疫力は低下し
やすいです。実は免疫細胞は乳酸にはとても弱く、免疫力が落ちてしま
います。乳酸は酸性の疲労物質ですが、乳酸だから免疫力が落ちるの
か、酸性の性質のため免疫力が落ちるのかははっきりしません。いず
れにしても乳酸の蓄積は人の体の免疫力を低下させ、風邪を引きや
すくしたり、ガンを起こしやすくすると思います。私は時々スポーツ選手
の中に筋肉りゅうりゅうで、腕力が強く、鉄の棒まで軽く折り曲げてしま
うような人が、年齢若くしてガンや白血病になってしまうのを耳にする時、
随分と乳酸の蓄積があって免疫力の低下がひどいのだろうと想像しま
す。見た目の体の丈夫さと実際の免疫力の強さは全く一致しないのです。
それでは多くの方は「自分は激しい運動をしていないし、筋肉りゅうりゅ
うでもないしきっと乳酸は溜まってない。だから免疫力は落ちないだろう。」
と思ってしまいます。でも本当に乳酸が溜まりやすく免疫力が落ちるの
はスポーツをしていない私達なのです???。