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2012年7月14日21:40:00
20年以上も前のこと、私は先生方の講義を聴くのがとても楽しみでした。
全く頭はよくないのですが、医学の話がとても新鮮で楽しかったのです。
難しいところは全部とばして、生化学と免疫学の話が特に好きでした。
ある時期から実験病理学教授の木本哲夫先生の講義を聴くことが
できました。話はテキストに書かれている内容なのですが、何故かとても
イキイキとして感動的な話なのです。
先生が受け持たれる最終近くの講義でしたか、私は今までにないほど
本当に感動して聴き入った話がありました。
「がん細胞ができた周り(間質)には血管があり、コラーゲンで埋められて
いる。」
「このコラーゲンはさほど丈夫じゃないのですが、もしコラーゲンをうんと増
やしてがん細胞をコラーゲンでしっかり包み込むと、それはまるで蚕のまゆ
のようにすると、がん細胞の増殖・転移は止まってくる。」
「世の中にはそんな治療法が実際にあるのです。」
この話を伺ったとき本当に驚き、私にとって忘れられない講義になりました。
がん細胞をやっつけるのは免疫細胞だけと思っていた私には、本当に
衝撃的な話でした。
私は講義が終わるや否や直ぐに木本先生のもとへ駆け寄りました。
木本先生は、「そんなに興味があるなら・・」といって、あとで沢山の資料を
渡してくださいました。
先生の論文も私の財産なのですが、
「堀口君、興味をもってくれてありがとう」という自筆の上書きは、
私の宝物になってます。
それは私が患者さんとともに治療していく上での、決して諦めないという
私の自信になっているのです。
私は長年”電子補充療法”を、つまり還元電子治療を「根元の治療」として
行ってきてますが、併せて木本先生のご研究を医療に取り入れています。
その結果はまさに先生の仰る通りでした。
患者さんに”元気で長生きしてもらい、そして人生を楽しんでいただく”
木本先生もきっとそう思われていたに違いありません。