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2010年8月28日19:06:00
私達は大変な勘違いをしています。ある病気が目の前にあって、その症状を消
せば治ったと思い込んでしまいます。例えば慢性関節リュウマチがあって
関節炎症で痛みがあると、それを消すためにステロイド剤を飲んでもらいます。
あるい他の免疫抑制剤を使います。するとだんだんと痛みが無くなり、患者さん
もお医者さんも「よかった、よかった」と安堵します。でもそれはとりあえず、臭い
物に蓋をしただけのことです。もし薬を止めたらすぐ症状が出てきます。
ある患者さんが肝臓病とリュウマチを患っていて、専門病院からの免疫を抑制
する薬を飲むと確かに関節炎症はなくなるのですが、胃腸の具合が悪くなって
もう薬が飲めなくなってきました。そんな相談をされたので、慢性関節リュウマチ
とは何ぞや!、肝臓病治療に大切なことは何ぞや!を伝えました。するとある時
患者さんがもう免疫抑制の薬は止めた、というのです。本当に?と聞くと、先生
の話しを聞いて、自分も確かにそう思う、自分で決めたことなのでいいんだ、と言
うのです。患者さんがそうきめた以上私も頑張らないといけません。一生懸命
治療しました。あれから半年くらいになりますが、確実に良くなっています。
それで何を話したか?ですが、慢性関節リュウマチはどんな病気?に対して
それは免疫バランスの乱れた病気です、と言いました。もっと簡単にいえば免疫
が丈夫でない病気です。それで体の反応としては貧弱ではあっても丈夫な免疫
になりたいというのが炎症の形であらわれているのです。免疫抑制剤は炎症を
とても良く止めてくれるのですが、免疫バランスの乱れは、決して治しません。
ですから免疫抑制剤は一時的に使ってもいいのですが、最終的には逆に免疫
を根っから丈夫にするしかないのです。そして肝臓病治療で一番大事なことは
丈夫な免疫を維持することです。結局両方の病気に共通したことは本来ひとが
持ち合わせるべき免疫力を十分に引き出すこと以外にないということです。