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2010年8月14日08:55:00
とても失礼とは思いつつ、ときどき患者さんに、「治療すると決めたら、是非アホ
になって下さい」と言います。誰でもそうなんですが、病気になると、しかもその
病気がとても深刻な病気であると、とても悩んで、悩んで、また悩んで・・、結局
何も決められないまま時間だけが過ぎていきます。病気を治さなければと思う
からどうしても慎重になります。でもそんな患者さんの姿を長くみてまして、こんな
ときどうしたら一番いいのかと、私もずっと考えてきました。それで出した結論が
「アホになれ!」です。何も迷わず、淡々と、ただ黙々と治療に専念し、はじめから
治るものだと思い込んで過ごしてほしいのです。時に、お医者さんから沢山の
治療方針を聞かされ、その時の危険性もきかされ、時にショックに感じられること
も告げられ、挙句の果てに「さあ!どうするんだ!はやく決めなさい!」とせかされ、
とても尋常な精神状態でないことがあるでしょう。でもそんな時こそ大事です。
落ち着いて、ごく普通に考えてみて、病院での治療が必要とするものなら始めて
下さい。その時なのですが、治療すると決めたら「アホになって下さい。」どうして
その方が良いのか、といいますと、いままで私が患者さんをみてて、「深刻な病気
だと思っていない患者さん、つまり大変な病気だと知らされていない患者さん」の
ほうが、同じ治療をしていてもとても結果がいいことが多いからです。
じゃー、大変な病気だと知った方はどうしたらいいのでしょうか。「本当にアホに
なったつもりで、治療に臨むことです。心配ご無用です。」そしてもう一つ大事な
ことは、相反するように思うかもしれませんが、「何くそ!の精神です。」これは
病気になった自分に対する「喝」であり、治るための自分自身の力を植付ける
ためです。何故なら病気は、病院での治療3割、自分の力7割で治るからです。